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2005年04月18日

★あの大歓声は届いたか。

常々、人から応援される人間になりたいと思っている。
義理や利害関係に関係なく、彼に対してなら、手放しで激励してやりたいという人でありたいと、いつも考えるのだ――。


昨日は朝からボランティア活動におわれた。
好天に恵まれたが、それゆえに障害をもった人たちの体調を気にかけながら走り回った一日だった。

夕方の4時過ぎに、若いボランティア仲間を集めて反省会をした。その際にはもう両脚を付け根からもぎ取りたいと思えるほど、下半身に倦怠感が募っていた。
もう年だな、はやく家に帰って子供を風呂に入れ、翌日の仕事にそなえてゆっくり休もうと考えた。体調も芳しくなかったし、ひどい花粉症なのにマスクをしている暇もないほど忙しい一日だった。

しかし、反省会が終わろうとしていたそのとき、一本の電話がかかってきた。

内容は、10年来の付き合いの方からの頼まれ事である。20歳ごろからの恩人であるため、その方の頼みごとを断ったことはいまだかつてない。
私は妻に断って、その方のマンションへ行き、その「頼まれ事」を聞いて3時間ばかり滞在した。帰宅したころには夜の9時半を過ぎていた。

久しぶりに「へとへと」に疲れた日であった。
充足感はあったが、よく歩き、よくしゃべり、よく頭を使った。家についたとたんに体じゅうが痛くなり、右のこめかみ辺りも痛くなり、あげくに喉も渇ききっていて唾も飲み込めないでいた。しきりにお茶を飲んで、甘いものを食べたがった。


帰宅してしばらくして、NHKのサンデースポーツを見た。私は毎日必ずスポーツニュースをチェックする。名古屋産まれ、名古屋育ちの私は生粋の?阪神タイガースファンだ。負けたら寝つきが悪くなるほど悔しがるし、勝てば子供を抱きかかえて小躍りするほどの虎キチなのである。

しかし、まさかの逆転負け。
不調だった福留がこの日に限って逆転タイムリーを放ったらしい。なんということをしてくれるのだ。打つのなら巨人戦でやってくれればいいものを、何も阪神戦をきっかけに復活の手ごたえをつかまなくてもいいのに。

――だが、その日、ヒーローインタビューのためにお立ち台にのぼったのは、福留選手だけではなかった。

7回から中継ぎとしてリリーフをしたルーキーの石井裕也投手が初勝利をあげたので、彼も福留の隣でインタビューを受けていた。

インタビュアーからマイクを向けられ、彼の口から勝利投手となった感想が語られると、ナゴヤドームの観客から大歓声が起こった。

私はナゴヤドームに何度か足を運んだことがあるが、その都度、中日ファンは案外におとなしいなと思わされる。私が阪神側にいるからかもしれないが、一部のコアなファンが騒いでるだけで、甲子園のように球場全体が湧き上がるようなことがないのだ。
そのナゴヤドームで、あの大歓声である。

生まれつき左耳が聞こえず、右耳も補聴器をつけなければコミュニケーションがとれない難聴の石井投手。
あの12球団ナンバー1(私はダントツだと思っている)の、リリーフ陣を擁する中日にあって、首位攻防をかけた大事な試合で、新人でありながらリリーフに抜擢されて勝利投手となったのだ。難聴でなくても賞賛したいのに、ハンディを背負いながら苦しいプロ生活を送ってきた彼に、ファンはことさら感動したに違いない。

以前から、ニュースで細々と取り上げられていた。(地元だからかもしれないが)

三菱重工という大企業の障害者枠で職に就き、安定した道を歩んできた。約束手形はなくとも終身雇用だって視野に入っていたと思う。
しかし彼は敢えてプロの道を選んだ。その姿勢に、周囲の誰もが不安を抱いただろう。ご両親も考え直せと止めたという。

私も応援したい気持ちもあるが、ドラフト6順目の選手がどこまでやれるのだろうかと疑いの目を持った。中日の投手陣は層が厚いのだ。何年かかって1軍にあがれるのだろう、そこまで耐えられるのだろうかと、本気で心配した。

しかし、それがどうだ。
まだシーズンがはじまったばかりで、大事な仕事を見事にやってのけたのである。

私は自他ともに認める「涙もろい」人間だ。
あの冷めた中日ファンから大歓声をもらった石井投手と、彼を取り巻くチームスタッフを目にして、突然視界がぼやけた。

ハンディがあるからとか、苦難を乗り越えたからとか、そんなことは関係ない。人の心を動かすのは、「置かれた苦境の大きさ」ではなく、それに立ち向かう人間の性根――その美しさだと私は思う。


私も、ひとりでも多くの方から応援されるように、自分自身の姿勢を見つめなおしたい。それが自分自身の内なるエネルギーを増大させてくれる源となると信じているからだ。

ひたむきにがんばっていれば、誰もが応援してくれるなんて思い込んだら、大間違いだ。そんなことを私は最近思う。

がんばっている人間は、いくらでもいる。


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石井裕也投手が堂々の初勝利。中田投手に続いて朗報続きです。まだ新人王有資格者の高橋聡文投手も含めて、これに続くルーキーの活躍が期待できそうです。何より、横浜商工高(現・横浜創学館)時代から注目していた石井裕也が、大きな一歩を踏み出したことを今日
石井裕也初勝利【微熱日記】at 2005年04月18日 22:01
この記事へのコメント
『生粋の名古屋…』なら『中日』に違いない!と思って読んでたら、タイガースだったのでずっこけました^^;石井投手。。。覚えとこ。。私の弟も、LD(学習障害)児で、元住友銀行の子会社に同じように就職する事が出来ました。人それぞれ、ですよね。。。じゅんさんだって、仕事にボランティアに、もちろん執筆に、すごいと思いますよ。
Posted by snowberry at 2005年04月18日 14:26
こんばにや(・3・)/実は私もタイガースファン(セリーグは)です。野村タイガースから応援してました。高校野球好きの父に連れられ、甲子園は何度となく行ったことがあるのですが、3年前、仕事で神戸に行ったついでに念願の甲子園でタイガース戦を観戦しました。対カープのデーゲーム。結果は負けてしまいましたが、とても良い思い出です。今日はお話作りの本をご紹介してみましょう。「別冊宝島144 シナリオ入門 〜映像ドラマを言葉で表現するためのレッスン〜」これは映画シナリオの入門ですが、小説を書く、特にエンターテイメント系小説の話作りには得る部分が多いと思います。ハリウッド映画は、観客を惹きつけるためのエッセンスが盛り込まれた、ある意味で、周到に計算された「面白さ」というものがあります。その流れは、私たちが目指す部分と共通するかなと思います。興味があったら読んでみてください。古い本ですので、ブックオフなどで見かけることが多くなってます。まずはそちらからあたると、無駄が防げていいかも。今、奥付を見ましたが1991年11月28日発行、1998年1月10日第34刷だそうです。私は普通の書店で入手しましたが、これだけタマが多いということは、古書で出回る数も多そうですね。
Posted by しぴん at 2005年04月18日 22:02
snowberryさん、コメントありがとうございます。そして弟さんのご活躍を心からお祈り申し上げます。とにかく、末永く続けられる職場であるといいですね。
Posted by じゅん at 2005年04月19日 22:39
しぴんさん、いつもありがとうございます。ご紹介してくださった「シナリオ入門」、アマゾンでは高値をつけてますね。手に入りにくいのでしょう。しかし読みたい!週末に図書館へ行って検索できたらしてきます。私はコレを持っていますよ。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4750002437/qid%3D1113918338/250-6612443-5603401でもアイデアが生まれてこないことはないので、私はいかにそのアイデアをうまく料理するかを指南してくれる書があるといいなと思います。
Posted by at 2005年04月19日 22:46
さなさん、いつもありがとうございます。なかなかよさそうな漢詩ですが、もう少し意味が書かれたサイトはないでしょうか。「雨ニモ負ケズ」は、大好きです。中学生のころ、何度か書写して泣いたことがあります。。
Posted by じゅん at 2005年04月19日 22:51